2007年能登半島地震 ─建物被害・強震動─

東京大学地震研究所
地震火山災害部門
2007年03月31日
2007年04月10日
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目次

被害調査・強震観測 .................................................. 耐震工学研究室
本震時の強震動 .................................................. 強震動グループ

被害調査・強震観測

はじめに

2007年3月25日能登半島地震(Mj 6.9)を受け、余震による強震動を観 測するため、3月27〜28日にかけて以下の地点に改良工藤式強震計(セン サSMAR-6A3P+ロガーLS-7000)を設置した(計6台)。 29日には動作確認と一部データの回収を行った。 また、強震観測に並行して、観測地点付近の建物被害に関する調査を行った。


メンバーと行程

調査観測班メンバー
27日出発組 壁谷澤 寿海、金 裕錫、壁谷澤 寿一、壁谷澤 寿成
28日合流組 坂上 実、石瀬 素子

28日合流組の行程表
月日 時刻 場所
3月28日(水) 9:00 長野県諏訪市 発
17:00 輪島市門前西小学校(旧松風台) 着
3月29日(木) 8:30 七尾市和倉温泉 発
9:20 穴水町穴水小学校
10:20     同    発
10:30 輪島市門前高校
12:30    同    発
14:00 輪島市門前西小学校
15:00     同     発

強震計設置場所


強震計設置点周辺の様子



本震時の強震動

穴水町のK-NET記録

上記のように大きな被害があった穴水町(計測震度6強)では、防災科研の K-NETにより本震時の強震動が観測されている。 その速度応答スペクトル(図1)において、木造家屋に大きな影響を及ぼす周期 1〜2秒の強震動を1995年兵庫県南部地震と比較すると、中央区葺合の記録には 及ばないものの、神戸海洋気象台での記録にほぼ匹敵している。 したがって、当地では阪神・淡路大震災時の「震災の帯」の周辺部に相当する 強震動が、本震時に木造家屋を襲ったと考えられる。

図1. 兵庫県南部地震の強震記録との速度応答スペクトルの比較(水平2成分の幾何平均).

糸静重点的調査観測等による記録

「糸魚川−静岡構造線断層帯における重点的調査観測」において強震動グ ループは、 松本盆地での強震観測を実施し、2007年4月には諏訪盆地においても強震観測を開始した。 また,長野盆地では信州大学との共同研究,福井平野では福井大学・東京工業大学との共同研究として,強震観測を実施している(図2).

図2. 福井平野・松本盆地・長野盆地・諏訪盆地における強震観測点。

これらの観測点で図3のように、能登半島地震の地震動を観測した。


図3. 福井平野(福井大・東工大との共同研究)・長野盆地(信州大との共同研究)・松本盆地・諏訪盆地(糸静重点観測)の強震観測点での速度記録と近隣のK-NET, KiK-net, SK-net記録の比較.

(「本震時の強震動」,纐纈一起・三宅弘恵・古村孝志・石瀬素子・木村武志・坂上実による)


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