地震データベース検索・解析プログラム:SeisView

纐纈一起・吉井敏尅*(東京大学地震研究所)
 (* 現在、日本大学文理学部)

 1980年代、地震研究所の地震予知観測情報センターで開発した SEIS と呼ば れる汎用計算機のための地震データベース利用システムがありました。同じ頃、 吉井は PC-9800 のためにフロッピーディスクを使っても十分に実用になる高 速の地震データ検索・表示システムを作り、皆さんに利用していただきました。 SeisView はこれらの特徴を合わせて、Unix や Windows で利用できるように 開発されたプログラムです。以下から3.02a版をダウンロードできます。
 なにしろ「地震データベース検索・解析プログラム」ですから、地震データ が無いと始まりません。下のダウンロードファイルには、米国の海洋大気局が 提供している "Preliminary Determination of Epicenters"(略称 "PDE" ) による1973年から1999年までの世界の震源データを入れておきました。震源デー タの数が多いとファイルサイズが大きくなるので、PDE の全地震のデータが入っ ているもののほかに、M5以上の地震のデータが入っているものを用意しまし たので、転送速度が遅い場合はまずこれをダウンロードして使ってみてくださ い。

PDE 全地震データ付き
 Windows 版のダウンロード [seisv-win.exe] (4,579,251バイト)
 Solaris 版のダウンロード [seisv-sol.tar.gz] (4,539,579バイト)
 Linux 版のダウンロード [seisv-lin.tar.gz] (4,510,592バイト)

PDE M5以上の地震データ付き
 Windows 版のダウンロード [seisv-win-m5.exe] (1,117,669バイト)
 Solaris 版のダウンロード [seisv-sol-m5.tar.gz] (1,077,903バイト)
 Linux 版のダウンロード [seisv-lin-m5.tar.gz] (1,048,857バイト)

 Windows 版は、自己解凍ファイルです。seisv-win.exe をダブルクリックし て解凍すると seisv_f というフォルダができますので、この中の seisv とい う実行ファイルをダブルクリックするだけで、SeisView が立ち上がります。 Windows 版では、 _seis というファイルはこのフォルダの中にそのまま置い てください。
 Unix 版でも、解凍すると seisv_f というディレクトリができ、その中の seisv が実行ファイルです。Unix 版では、実行前にこのディレクトリにある _seis というファイルを、自分のホームディレクトリに移動しておいてくださ い。
 SunOS やインテル版Solaris、LinuxPPC の場合は、上の Solaris 版か Linux 版をダウンロードして、実行プログラム seisv のみを以下のものと入 れ替えてください。

 SunOS 用 seisv [seisv.gz] (91,622バイト)
 インテル版 Solaris 用 seisv [seisv.gz] (73,193バイト)
 LinuxPPC seisv [seisv.gz] (62,702バイト)

 マニュアルは、ありません!各画面に簡単なヘルプがありますので、これを 参考にしていろいろやってみてください。初期画面 を見れば、このプログラムでどのようなことができるかわかるでしょう。 Option 画面では、震源データファイルの置かれて いるディレクトリ(フォルダ)、地図など補助ファイルの置かれているディレ クトリ(フォルダ)、およびプリンターを指定します。基本操作でまずやらな ければならないのは、Select 画面により地震デー タの検索を行うことです。この例では、いちばん上の Data Source で "PDE" と指定しています。ここに指定するのは、データファイル名の最初の文字 (PDE、JMA など)です。画面でさまざまな検索条件を指定(ここに示した Select 画面の例では、1979年から1999年までの期間について日本付近のM5.0 以上の地震)して Enter をクリックすれば、検索が始まります。添付した PDE のデータの地震数は全部で30万個以上(M5以上のものは4万個以上)で すが、あまりに短時間に検索が終わるので驚かれるでしょう。SeisView の売 りのひとつは、検索サーバを用意すればそれを多くのクライアントがインター ネットを通して利用できることですが、ここで提供するスタンドアロンの環境 では、その検索の速さがさらに際だちます。
 Select により検索が終われば、Browse 画面 で 震源データのリスト表示、Map 画面 で地図上表示な どができます。Map 画面で [Functn:F8] をクリックすることで、断面図や地 図上での検索なども可能になります。

 以下に、いくつかの画面の簡単な説明を用意しました。
[Select]
[Browse]
[Save]
[Map]

 別の機関などによる SeisView 用データを data というディレクトリ(フォ ルダ)に入れておけば、上記の Select 画面の Data Source のところにその データファイルの頭の文字を指定することで検索ができます。日本の気象庁 (JMA)のデータも地震研究所の ftp サイトに置かれていますが、研究機関以 外からのアクセスは制限されています。SeisView のデータファイルは1地震 がわずか16バイトのバイナリファイルで、そのフォーマットは公開されていま す。以下の文献をご覧ください。ここから Windows 版のダウンロードもでき ます。


参考文献
Koketsu, K. and T. Yoshii, A seismicity database and interactive retrieval tool: SeisView, Computer & Geosciences, 26, 839-845, 2000.

2001年05月31日(吉井敏尅)
2005年08月04日(纐纈一起)